このテーシュトレンは、ヘルガおばあちゃんが料理に慣れていなかった頃に書き残した、最初の家庭料理レシピのひとつです。
元の手書きレシピはとても短いものですが、全粒粉、はちみつ、卵、バター、レーズン、牛乳、ベーキングパウダーを使った、素朴な焼き菓子であることが分かります。
元のメモには、「Abtrieb を作り、レーズンを混ぜ、最後に泡立てた卵白と粉を混ぜ込む」という流れが簡潔に書かれています。この記事では、元の材料と分量を大切にしながら、今の家庭でも作りやすいように手順を少し丁寧に補っています。
このテーシュトレンについて
テーシュトレンは、名前に Stollen とありますが、クリスマスに食べる重たいシュトレンとは少し違います。
今回のレシピは、紅茶やコーヒーと一緒に食べる、素朴なローフケーキに近い焼き菓子です。
はちみつのやさしい甘さ、レーズンの自然な甘み、全粒粉のしっかりした風味が合わさった、家庭で作る日常のお菓子という印象です。
華やかなケーキではありませんが、だからこそ、古い家庭料理のレシピらしいあたたかさがあります。
元のレシピ名について
元の手書きレシピでは、料理名は次のように書かれています。
Teestollen
Tee は「お茶」、Stollen は「シュトレン」や「細長い焼き菓子」を意味します。
日本語では、元の名前を大切にして
テーシュトレン
として紹介します。
ただし、読者に分かりやすく説明するなら、
紅茶に合う、はちみつとレーズンの素朴な焼き菓子
と考えるとイメージしやすいです。
オリジナル画像
“毎日のやさしい食事“

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このレシピは、”毎日のやさしい食事”シリーズの14番目にあたるものです。
現在掲載している画像の中では7番目に見えるため、画像内の並びと通し番号が異なります。
この記事では、サイト内で整理しやすいように、通算番号として「14番目のレシピ」として扱っています。
材料
- 全粒粉 375g
- はちみつ 180g
- 卵 2個
- バター 125g
- レーズン 125g
- 牛乳 500ml
- ベーキングパウダー 小さじ1程度
分量について
元のレシピでは、dag という単位が使われています。
1dag は 10g です。
そのため、このレシピでは次のようになります。
37.5dag 全粒粉 = 375g
18dag はちみつ = 180g
12.5dag バター = 125g
12.5dag レーズン = 125g
また、元のレシピにある 1/2 l Milch は、牛乳 500ml です。
元のレシピの KL BP は、おそらく Kaffeelöffel Backpulver の略です。
Kaffeelöffel は小さなスプーンのことで、現在のレシピでは小さじに近い感覚で考えると分かりやすいです。
BP は Backpulver、つまりベーキングパウダーのことです。
材料の補足
全粒粉について
元のレシピには Vollmehl と書かれています。
Vollmehl は、白い小麦粉よりも穀物の風味が残った粉です。日本語では、全粒粉と考えると分かりやすいです。
全粒粉を使うことで、軽いスポンジケーキとは違う、素朴でしっかりした味わいになります。
このレシピでは牛乳の量が多めですが、全粒粉は白い小麦粉より水分を吸いやすいため、自然な組み合わせだと考えられます。
はちみつについて
このテーシュトレンは、砂糖ではなくはちみつで甘みをつけます。
はちみつを使うことで、白砂糖のはっきりした甘さではなく、やわらかく丸みのある甘さになります。
クセの少ない花のはちみつを使うとやさしい味に、色の濃いはちみつを使うと少し深みのある味になります。
レーズンについて
元のレシピでは、レーズンを「unterziehen」と書いています。
これは、生地にやさしく混ぜ込むという意味です。
レーズンがやわらかい場合は、そのまま使えます。
乾燥が強い場合は、ぬるま湯や牛乳に短時間つけてから、しっかり水気を切って使うと食べやすくなります。
ただし、元のレシピに浸す指示があるわけではないため、必要な場合だけで大丈夫です。
Schneeについて
元のレシピには Schnee と書かれています。
オーストリアやドイツ語圏の古いレシピで Schnee とある場合、多くは泡立てた卵白、つまりメレンゲのことです。
このレシピでは、卵白を泡立てて最後に粉と一緒に混ぜ込むことで、生地を少し軽く仕上げています。
作り方
- 材料を準備する
全粒粉を量ります。
ベーキングパウダーを全粒粉に混ぜておきます。
レーズンを用意し、乾燥が強い場合は短時間だけぬるま湯や牛乳に浸してから、しっかり水気を切ります。
卵は卵黄と卵白に分けておきます。 - バターをやわらかくする
バターはあらかじめ室温に戻します。
はちみつと混ぜやすいように、やわらかい状態にしておきます。
冷たく固いままだと、なめらかな生地になりにくくなります。 - バターとはちみつを混ぜる
ボウルにバターとはちみつを入れます。
全体が均一になるまでよく混ぜます。
卵黄を少しずつ加え、さらに混ぜます。
このバター、はちみつ、卵黄を混ぜた土台が、元のレシピにある Abtrieb です。 - 牛乳を加える
バターとはちみつ、卵黄を混ぜた生地に、牛乳を少しずつ加えます。
一度に全部入れず、混ぜながら加えます。
牛乳の量が多いため、生地は少しゆるく見えますが、このレシピでは自然な状態です。 - レーズンを混ぜる
レーズンを生地に加えます。
全体に行き渡るように、やさしく混ぜます。
強く混ぜすぎると、生地が重くなりやすいので注意します。 - 卵白を泡立てる
別の清潔なボウルに卵白を入れます。
角が立つくらいまで泡立てます。
泡立てすぎてぼそぼそになる前の、しっかりしたメレンゲが目安です。 - 粉と卵白を混ぜ込む
ベーキングパウダーを混ぜた全粒粉を生地に加えます。
泡立てた卵白も加えます。
全体を切るように、やさしく混ぜます。
粉っぽさが大きく残らない程度に混ぜれば十分です。 - 型を準備する
パウンド型、または細長い焼き型にバターを薄く塗ります。
生地を流し入れ、表面をならします。
元のレシピには型の大きさが書かれていないため、大きすぎる型は避けた方がよいです。大きすぎると、焼き上がりが薄くなりすぎます。 - 焼く
元の手書きレシピには、焼き温度と焼き時間は書かれていません。
現代の家庭用オーブンでは、目安として180℃前後で焼くとよいです。
表面が焼き固まり、竹串を中心に刺して生の生地がついてこなければ焼き上がりです。 - 冷ます
焼き上がったら、型の中で少し休ませます。
その後、型から外して完全に冷まします。
冷めてから切ると、形が崩れにくくなります。
おいしく作るコツ
バターはやわらかくしてから使います。
はちみつと混ざりやすくなり、生地の土台がなめらかになります。
卵白は最後にやさしく混ぜ込みます。
強く混ぜすぎると、せっかく泡立てた空気が抜けて、生地が重くなりやすくなります。
レーズンを浸した場合は、しっかり水気を切ります。
水分が多すぎると、生地がゆるくなりすぎることがあります。
元のレシピには焼き時間が書かれていないため、竹串で確認します。
中心まで火が通っているかを見ながら焼くのが安心です。
味と食感
このテーシュトレンは、はちみつのやさしい甘さと、レーズンの自然な甘みを楽しむ焼き菓子です。
全粒粉を使うため、白い小麦粉だけで作るケーキよりも、素朴でしっかりした味わいになります。
ふわふわで軽いケーキというより、しっとりしていて、少し食べごたえのある生地です。
紅茶やコーヒーと一緒に、ゆっくり食べるのに向いています。
Abtriebとは何?
元のレシピにある Abtrieb machen は、オーストリアの古い料理メモで見られる表現です。
一般的には、バターに甘みのある材料や卵黄を加えて、よく混ぜた生地の土台を作ることを指します。
このレシピでは、バター、はちみつ、卵黄を混ぜたものが Abtrieb にあたります。
そのあとに牛乳、レーズン、全粒粉、泡立てた卵白を加えて生地にしていきます。
作り置きについて
このテーシュトレンは、前日に焼いておくこともできます。
焼き上がって完全に冷めたら、乾燥しないように包んで保存します。数時間置くことで、はちみつやレーズンの味が少しなじみます。
長く保存したい場合は、切り分けてから冷凍することもできます。食べるときは、室温で自然解凍します。
食べ方
このテーシュトレンは、紅茶、ハーブティー、コーヒーによく合います。
はちみつとレーズンが入っているため、何もつけずにそのまま食べても楽しめます。
少し濃厚にしたい場合は、薄くバターを塗ったり、少量のはちみつやジャムを添えたりしても合います。
ただし、このレシピの良さは素朴さにあるので、あまり飾りすぎない方が雰囲気に合います。
よくある質問
テーシュトレンとは何ですか?
テーシュトレンは、直訳すると「お茶のシュトレン」のような意味です。今回のレシピでは、クリスマスの重たいシュトレンではなく、紅茶やコーヒーに合わせる素朴なローフケーキに近い焼き菓子です。
クリスマスのシュトレンと同じですか?
同じではありません。名前に Stollen とありますが、このレシピは酵母を使う伝統的なクリスマスシュトレンとは違い、ベーキングパウダーで作るシンプルな焼き菓子です。
元のレシピにある Schnee とは何ですか?
Schnee は、泡立てた卵白のことです。日本語ではメレンゲと考えると分かりやすいです。卵白を泡立てて最後に混ぜ込むことで、生地を少し軽くします。
KL BP とは何のことですか?
KL は Kaffeelöffel、つまり小さなスプーンを指すと考えられます。BP は Backpulver、ベーキングパウダーのことです。現在のレシピでは、小さじ1程度のベーキングパウダーと考えると分かりやすいです。
全粒粉ではなく薄力粉で作れますか?
作ることはできますが、味と食感は変わります。全粒粉を使うことで、素朴でしっかりした風味になります。薄力粉にすると、少し軽い仕上がりになりますが、元のレシピの雰囲気とは違ってきます。
レーズンは必ず入れますか?
元のレシピにはレーズンが入っています。省くこともできますが、甘みやしっとり感が少し弱くなります。苦手でなければ、入れた方が元のレシピらしい仕上がりになります。
まとめ
テーシュトレンは、ヘルガおばあちゃんの最初の家庭料理レシピに残されていた、素朴な焼き菓子です。
全粒粉、はちみつ、バター、卵、牛乳、レーズンを使い、泡立てた卵白を最後に混ぜ込んで焼き上げます。
元の手書きレシピはとても短いものですが、そこには、特別な材料を使わずに家族のお茶の時間に出せるお菓子を作る、昔ながらの家庭料理の雰囲気が残っています。
華やかではありませんが、はちみつのやさしい甘さとレーズンの素朴な味わいが楽しめる、あたたかい一品です。このレシピは、ヘルガおばあちゃんのはじめての家庭料理シリーズのひとつです。手書きレシピに残された素朴なオーストリア家庭料理を、今の家庭でも作りやすい形で紹介しています。
Grandma Helgaについて
Grandma Helgaは、長年家族のために料理を作り続けてきた母であり祖母です。
このサイトで紹介しているレシピは、彼女が日々の暮らしの中で実際に作ってきたものです。
手書きのレシピをもとに、大切に受け継がれてきました。
現在は、家族が内容を整理し、翻訳して公開しています。
どれもシンプルで、毎日の食卓に取り入れやすいレシピです。

