このモーントルテは、ヘルガおばあちゃんが料理に慣れていなかった頃に書き残した、最初の家庭料理レシピのひとつです。
元の手書きレシピはとても短いものですが、材料を見ると、ケシの実、全粒粉、バター、はちみつ、りんご、オレンジピール、シトロンピール、シナモンを使った、素朴でしっとりした焼き菓子だと分かります。
元のメモには、190℃で焼き、ジャムーをはさんで、最後にホイップクリームを塗ることが簡潔に書かれています。この記事では、元の材料と分量を大切にしながら、今の家庭でも作りやすいように手順を少し丁寧に補っています。
このモーントルテについて
モーントルテは、ドイツ語で「ケシの実のトルテ」という意味です。
今回のレシピは、何層にも重ねる華やかなケーキというより、家庭で作る素朴な焼き菓子に近い印象です。
すりつぶしたケシの実の香ばしさ、全粒粉のしっかりした風味、はちみつのやさしい甘さ、りんごのしっとり感が合わさった、昔ながらの家庭菓子です。
オレンジピールとシトロンピールも入るため、少しだけ特別感があります。とはいえ、全体としては派手すぎず、家庭で受け継がれてきたお菓子らしい落ち着いた味わいです。
元のレシピ名について
元の手書きレシピでは、料理名は次のように書かれています。
Mohntorte
日本語では、分かりやすく
モーントルテ
または
ケシの実のトルテ
と考えるとよいです。
ここでは、元の名前を大切にして モーントルテ として紹介します。
オリジナル画像
”毎日のやさしい食事”

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このレシピは、”毎日のやさしい食事”シリーズの13番目にあたるものです。
現在掲載している画像の中では6番目に見えるため、画像内の並びと通し番号が異なります。
この記事では、サイト内で整理しやすいように、通算番号として「13番目のレシピ」として扱っています。
材料
- すりつぶしたケシの実 150g
- 全粒粉 150g
- バター 100g
- はちみつ 150g
- 大さじ1 そば粉ではなくソイフラワー
- ベーキングパウダー 大さじ1
- りんご 2個
- オレンジピールとシトロンピール 合わせて50g
- シナモン 少々
- 牛乳 適量
仕上げ用
- 酸味のあるジャム 適量
- ホイップクリーム 適量
分量について
元のレシピでは、dag という単位が使われています。
1dag は 10g です。
そのため、このレシピでは次のようになります。
15dag すりつぶしたケシの実 = 150g
15dag 全粒粉 = 150g
10dag バター = 100g
15dag はちみつ = 150g
5dag オレンジピールとシトロンピール = 合わせて50g
牛乳の量は、元の手書きレシピには詳しく書かれていません。生地がやわらかく、型に流してならせるくらいになるまで、少しずつ加えます。
材料の補足
ケシの実について
このレシピでは、すりつぶしたケシの実を使います。
そのままの粒のケシの実では、生地へのなじみ方や食感が変わります。すりつぶしたケシの実を使うことで、香ばしさが全体に広がり、しっとりした生地になります。
日本ではケシの実を大量に使うお菓子はあまり一般的ではありませんが、ドイツ語圏や中欧では、ケシの実を使った焼き菓子は親しまれています。
全粒粉について
元のレシピには Vollmehl と書かれています。
これは、白い小麦粉よりも穀物の風味が残った粉を指します。日本語では、全粒粉と考えると分かりやすいです。
全粒粉を使うことで、ケシの実やはちみつとよく合う、少し素朴でしっかりした味わいになります。
ソイフラワーについて
元のレシピには Sojamehl と書かれています。
Sojamehl は、大豆を粉にしたソイフラワーです。生地のつなぎや風味づけとして使われたものと考えられます。
日本では手に入りにくい場合もありますが、元のレシピでは大さじ1だけ使われています。代用する場合は、完全に同じ仕上がりにはならないことを前提に、きな粉など風味の近い粉を少量使う方法も考えられます。
ただし、きな粉は香りが強いので、入れすぎると和風の印象が強くなります。
オレンジピールとシトロンピールについて
元のレシピには Aranzini und Zitronat とあります。
Aranzini は、オレンジピールの砂糖漬けです。
Zitronat は、シトロンピールの砂糖漬けです。
どちらも中欧の焼き菓子でよく使われる材料です。甘さだけでなく、少しほろ苦く、昔ながらのお菓子らしい香りを加えてくれます。
Schlagobersについて
元のレシピには Schlagobers と書かれています。
Schlagobers は、オーストリアで使われる言葉で、ホイップクリームのことです。
このモーントルテでは、焼き上がった生地にゼリーをはさみ、最後にホイップクリームを塗って仕上げます。
Geleeについて
ここでいう「ゼリー」は、日本でデザートとして食べるぷるぷるしたゼリーではなく、ドイツ語圏でケーキやパンに使われる、果汁を煮詰めたジャムに近いものと考えると分かりやすいです。
そのため、日本で作る場合は、酸味のあるジャムを使うのがおすすめです。
作り方
- 材料を準備する
すりつぶしたケシの実、全粒粉、ベーキングパウダーを用意します。
りんごは小さな角切りにします。
オレンジピールとシトロンピールが大きい場合は、細かく刻んでおきます。 - バターとはちみつを混ぜる
バターは室温に戻してやわらかくします。
ボウルにバターとはちみつを入れ、全体がなじむまで混ぜます。
ふんわり泡立てる必要はありませんが、できるだけ均一に混ざるようにします。 - 粉類を合わせる
別のボウルに、すりつぶしたケシの実、全粒粉、ソイフラワー、ベーキングパウダー、シナモンを入れて混ぜます。
先に粉類を合わせておくと、生地にムラが出にくくなります。 - 生地をまとめる
粉類を、バターとはちみつのボウルに加えます。
全体をやさしく混ぜます。
牛乳を少しずつ加え、生地がやわらかく、型に入れてならせるくらいの固さになるように調整します。
牛乳を一度に入れすぎないようにします。 - りんごとピールを加える
小さく切ったりんごを生地に加えます。
オレンジピールとシトロンピールも加えます。
具材が全体に行き渡る程度に、軽く混ぜます。 - 型を準備する
小さめの丸型、またはケーキ型にバターを薄く塗ります。
生地を型に入れ、表面をならします。
元のレシピには型の大きさが書かれていないため、大きすぎる型は避けた方がよいです。大きすぎると、生地が薄くなりすぎます。 - 190℃で焼く
190℃に温めたオーブンで焼きます。
元の手書きレシピには、焼き時間は書かれていません。
表面が焼き固まり、竹串を刺して生の生地がついてこなければ焼き上がりです。 - しっかり冷ます
焼き上がったら、型の中で少し冷まします。
その後、型から外して完全に冷まします。
ゼリーをはさんだり、ホイップクリームを塗ったりする前に、しっかり冷ましておくことが大切です。 - ジャムをはさむ
冷めた生地を横半分に切ります。
下の生地にジャムを塗ります。
上の生地を重ねます。 - ホイップクリームを塗る
ホイップクリームを泡立てます。
トルテの上、または全体にホイップクリームを塗ります。
食べるまで冷蔵庫で冷やしておきます。
おいしく作るコツ
牛乳は少しずつ加えます。
元のレシピには牛乳の分量が書かれていないため、生地の様子を見ながら調整します。やわらかく、型に入れて広げられる程度が目安です。
りんごは小さめに切ります。
大きいままだと、生地の中で偏りやすく、切り分けるときにも崩れやすくなります。
ケシの実は、できればすりつぶしたものを使います。
粒のままだと、元のレシピに近いしっとり感が出にくくなります。
焼き上がった生地は、完全に冷ましてから仕上げます。
温かいままジャムやホイップクリームを使うと、溶けたり、ゆるくなったりしやすいです。
味と食感
このモーントルテは、軽いスポンジケーキのようなふわふわ感ではなく、しっとりしていて、少し密度のある食感です。
すりつぶしたケシの実と全粒粉が入るため、味は素朴で香ばしく、はちみつのやさしい甘さがあります。
りんごが入ることで生地にしっとり感が出て、オレンジピールとシトロンピールが、昔ながらの焼き菓子らしい香りを加えます。
華やかすぎないけれど、食べるとどこか懐かしい。そんな家庭菓子です。
どんなジャムが合う?
元のレシピには、ジャムの種類までは書かれていません。
合わせやすいものとしては、次のようなものがあります。
赤すぐりのジャム
あんずのジャム
ラズベリーのジャム
りんごのジャム
少し酸味のあるゼリーを使うと、はちみつの甘さやケシの実の濃い風味とよく合います。
オーストリアらしさを意識するなら、あんずや赤すぐりのような、甘酸っぱい果実系が合いやすいです。
作り置きについて
焼いた生地は、前日に作っておくこともできます。
ただし、ジャムをはさんでホイップクリームを塗る仕上げは、食べる当日、または数時間前に行うのがおすすめです。
ホイップクリームを塗ったあとは、必ず冷蔵庫で保存します。
長く置くとクリームがゆるくなったり、生地が水分を吸いすぎたりすることがあるため、仕上げたあとは早めに食べるとよいです。
よくある質問とこたえ
まとめ
モーントルテは、ヘルガおばあちゃんの最初の家庭料理レシピに残されていた、素朴であたたかい焼き菓子です。
すりつぶしたケシの実、全粒粉、バター、はちみつ、りんごを使った生地は、しっとりとしていて、やさしい甘さがあります。そこにオレンジピール、シトロンピール、シナモンが加わることで、昔ながらの中欧の家庭菓子らしい香りが生まれます。
元の手書きレシピはとても短いものですが、その中には、限られた材料で家族に食べさせるお菓子を作っていた時代の雰囲気が残っています。
このモーントルテは、華やかさよりも、素朴さと懐かしさを味わう一品です。このレシピは、ヘルガおばあちゃんのはじめての家庭料理シリーズのひとつです。手書きレシピに残された素朴なオーストリア家庭料理を、今の家庭でも作りやすい形で紹介しています。
Grandma Helgaについて
Grandma Helgaは、長年家族のために料理を作り続けてきた母であり祖母です。
このサイトで紹介しているレシピは、彼女が日々の暮らしの中で実際に作ってきたものです。
手書きのレシピをもとに、大切に受け継がれてきました。
現在は、家族が内容を整理し、翻訳して公開しています。
どれもシンプルで、毎日の食卓に取り入れやすいレシピです。

