トプフェンゼンメルは、トプフェンを使って作る、しっとりやわらかな丸パンです。
イーストを使わず、ベーキングパウダーでふくらませるため、発酵時間を取らずに作れるのが魅力です。朝食や軽い昼食、スープの付け合わせにも合わせやすく、毎日の食卓に取り入れやすい素朴なパンです。
古い手書きレシピでは、焼き時間や生地の細かな状態が省かれていることがあります。この記事では、義母ヘルガが残したレシピの雰囲気を大切にしながら、今の家庭でも作りやすいように手順を補って紹介します。
材料
作りやすい分量
- 全粒粉 約250g
- トプフェン 約250g
- 卵 1個
- 塩 適量
- ベーキングパウダー 1袋
古い手書きレシピに細かな分量がない場合は、家庭で作りやすい目安量として整えています。
作り方
1. 生地を作る
全粒粉、トプフェン、卵、塩、ベーキングパウダーをボウルに入れます。
全体がなじむまで、ゴムベラやスプーンでよく混ぜます。
生地はパン生地のようにしっかりこねるというより、材料がまとまって、なめらかになるくらいを目安にします。
2. 生地の固さを調整する
トプフェンや代用品の水分量によって、生地のやわらかさが変わります。
手で丸められるくらいの固さであれば、そのまま成形します。
かなりベタつく場合は、全粒粉を少しずつ足して調整してください。
ただし、粉を入れすぎると焼き上がりがかたくなりやすいので、少量ずつ加えるのが安心です。
3. 丸く形を整える
生地を適当な大きさに分け、丸く形を整えます。
手にくっつく場合は、手に少し粉をつけるか、スプーンやアイスクリームスクープを使って天板に落としても大丈夫です。
形が少し不ぞろいでも、焼き上がると素朴な雰囲気になります。
4. 天板に並べる
オーブンシートを敷いた天板に、生地を間隔をあけて並べます。
お好みで、焼く前に表面へ軽く切れ目を入れてもよいです。
生地がやわらかい場合は無理に切れ目を入れず、そのまま焼いてください。
5. 焼く
220℃に予熱したオーブンで、表面が軽く色づくまで焼きます。
焼き時間はオーブンや生地の大きさによって変わりますが、目安は15〜20分ほどです。
表面がうっすら色づき、底にも軽く焼き色がついたら焼き上がりです。
6. 少し冷まして仕上げる
焼き上がったら、網の上に取り出して少し冷まします。
焼きたては外側が香ばしく、中はふんわりやわらかい食感です。
温かいうちに食べると、トプフェンのやさしい風味がよく感じられます。
おいしく作るコツ
生地は、少しやわらかめでも大丈夫です。無理にパン生地のようにこねる必要はありません。
代用品を使う場合は、水分量に注意します。水分が多いと生地がベタつきやすくなるため、粉を少しずつ足して調整してください。
焼きすぎると中までかたくなりやすいので、濃い焼き色をつけすぎないようにします。表面が軽く色づくくらいで十分です。
手で丸めにくい場合は、スプーンやアイスクリームスクープを使うと作りやすくなります。
古い手書きレシピでは、細かな加減が省かれていることがあります。そのため、分量だけでなく、生地のやわらかさ、焼き色、香りなども見ながら作ると仕上がりが安定しやすくなります。
失敗しやすいポイント
生地がベタベタして丸めにくい
トプフェンや代用品に水分が多いと、生地がやわらかくなります。
粉を少し足して調整するか、無理に手で丸めず、スプーンやスクープで天板にのせると作りやすいです。
焼き上がりがかたくなる
粉を足しすぎたり、焼きすぎたりすると、仕上がりがかたくなりやすいです。
粉は少しずつ加え、焼き色がつきすぎる前に様子を見ると安心です。
思ったよりふくらまない
ベーキングパウダーが古い場合や、生地を長く置きすぎた場合は、ふくらみが弱くなることがあります。
材料を混ぜたら、なるべく早めに成形して焼くのがおすすめです。
TopfenやQuarkの代用品
このレシピでは、Topfenを使うことで、ほんのりとしたやさしい風味としっとり感が出ます。
Topfenは、オーストリアなどで使われるフレッシュチーズに近い乳製品です。ドイツ語圏ではQuarkとして売られているものに近い印象がありますが、日本では手に入りにくいことがあります。
日本で作る場合は、次のようなもので代用できます。
- 水切りヨーグルト
- ギリシャヨーグルト
- なめらかにしたカッテージチーズ
- リコッタチーズ
- クリームチーズにヨーグルトを少し混ぜたもの
このレシピでは焼いて仕上げるため、代用品の水分が多すぎると生地がゆるくなりやすいです。使う前に軽く水切りするか、粉の量で調整してください。
クリームチーズとヨーグルトで代用する場合は、クリームチーズ2に対してヨーグルト1くらいを目安にし、少しずつ混ぜながら軽い質感に整えます。ヨーグルトを入れすぎると生地がゆるくなるため、様子を見ながら加えると安心です。
ゼンメルについて
センメルは、南ドイツやオーストリアで親しまれているパンです。
外は軽く香ばしく、中はやわらかく軽い食感が特徴です。
朝食や付け合わせ、サンドイッチにもよく合います。
こちらはベーカリーで売られている本物のセンメルです。

このレシピのトプフェンゼンメルは、イーストを使う本格的なパンというより、発酵なしで作れる素朴な家庭の丸パンに近い仕上がりです。
どんな味?
トプフェンゼンメルは、やさしい乳製品の風味と、全粒粉の素朴な香ばしさが楽しめるパンです。
甘いパンではなく、食事に合わせやすい落ち着いた味わいです。日本のパンでいうと、ふんわりした食事パンに少し近い雰囲気がありますが、全粒粉を使うため、より素朴で家庭的な印象になります。
華やかなパンというより、スープやサラダと一緒に食べたくなる、飽きにくい味わいです。
保存と温め直し
焼きたてが一番おいしいですが、残った場合は粗熱を取ってから保存します。
当日中に食べる場合は、乾燥しないように袋や保存容器に入れておきます。翌日以降に食べる場合は、冷蔵または冷凍保存がおすすめです。
温め直す場合は、オーブントースターで軽く温めると、外側の香ばしさが戻りやすくなります。電子レンジを使う場合は、温めすぎると生地がかたくなりやすいので、短時間ずつ様子を見てください。
卵と乳製品を使うため、長時間常温に置いたままにしないようにします。
合わせたい料理・食べ方
このレシピには、次のような料理や食べ方が合います。
- 温かい野菜スープ
- じゃがいものスープ
- クリーム系のスープ
- シチュー
- サラダ
- チーズやハムをはさんだ簡単なサンドイッチ
- 朝食のパンとして、バターやジャムを添える食べ方
甘さが強くないため、食事にも軽食にも合わせやすいパンです。特にスープと一緒に食べると、やさしい風味がよく合います。
オリジナルのタイプライターレシピについて
このレシピは、義母ヘルガが残したタイプライター打ちのレシピをもとにしています。
古い家庭料理のレシピというと手書きのものを思い浮かべますが、このレシピは当時としては珍しく、タイプライターで丁寧に残されていました。文字がきちんと並んでいる分、分量や材料は読み取りやすい一方で、焼き時間や生地の状態など、細かな作り方まではあまり書かれていません。
当時の家庭では、作り慣れた人が生地のやわらかさや焼き色を見ながら、自然に加減していたのだと思います。
この記事では、タイプライターで残された原本の雰囲気を大切にしながら、今の家庭でも作りやすいように分量や手順を補って紹介しています。

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このレシピは”毎日のやさしい食事”シリーズの第5レシピです。
トプフェンゼンメルを作ってみました
今回は、Grandma Helgaの手書きレシピをもとに、トプフェンゼンメルを作ってみました。

レシピに出てくるTopfenは、ドイツ語圏で使われるフレッシュチーズのような食材です。ドイツではQuarkとして売られているものに近いと思うのですが、私が暮らしているルクセンブルクでは、なかなか見つけることができませんでした。
これで本当に作れるのかなと少し不安に思いながら、隣国の食材だけでなく、いろいろな国の食品を扱うスーパーにも行ってみました。そこでお店の方に教えてもらったのは、フランス産のフロマージュブランでした。
本当はQuarkやTopfenに近いものを使いたかったのですが、どうしても作ってみたかったので、お店の方の言葉を信じて購入してみることにしました。
ただ、開けてみると、私がイメージしていたものとは少し違いました。少しやわらかめで、どちらかというとヨーグルトに近い感じです。ギリシャヨーグルトの方が、もっとしっかりしているようにも感じました。
これで大丈夫かなと思いながらも、レシピ通りに材料を計り、なめらかになるまで混ぜていきました。
ところが、ここで予想外の問題がありました。生地がとてもベタベタして、手にくっついてしまったのです。

粉を足せば扱いやすくなるかもしれませんが、入れすぎて生地がかたくなるのは避けたかったので、今回はそのまま進めることにしました。
手で丸めるのは難しそうだったため、アイスクリーム用のスクープを使って、なんとか天板に並べました。形は少し不ぞろいですが、これも手作りならではと思うことにしました。

2026年筆者撮影。
本当はナイフで切り目を入れたかったのですが、生地がやわらかく、それもうまくいきませんでした。これは失敗かもしれないと思いながら、焼き上がりを待ちました。
でも、焼き上がったトプフェンゼンメルは、思っていたよりずっとおいしそうでした。

外側はパリッとしていて、中はふんわり。手で半分に割ると、ほんのりやさしい香りが広がります。
味はとても良かったのですが、形は正直なところ、私が思っていたゼンメルとは少し違いました。これはゼンメルというより、別のかわいいパンだねと家族で笑いながら、楽しい試食会になりました。
娘からは、スープと一緒に食べると良さそうだね、という感想もありました。たしかに、やさしい味わいなので、温かいスープや軽い食事に合わせるのに向いていそうです。
私は普段、パン作りをホームベーカリーに任せることが多く、手ごねや成形はあまり得意ではありません。今回も形はきれいとは言えませんでしたが、それでも味はおいしいと思えるパンが焼けたことは、とても嬉しい経験でした。
このトプフェンゼンメルは、イーストを使わずに作れるところも魅力です。イーストを使ったパンが苦手な方や、発酵時間を取らずに手軽に作りたい方にも、試しやすいレシピだと思います。
次回は、できれば本物のTopfen、またはQuarkに近いものを使って、もう一度挑戦してみたいです。形ももう少しゼンメルらしくできるように、工夫してみたいと思います。
見た目は少し不ぞろいでも、焼きたての香りと素朴なおいしさを楽しめる一品でした。
まとめ
トプフェンゼンメルは、オーストリアやドイツ語圏の家庭で親しまれてきた、素朴な丸パンです。
トプフェンを使うことで、ほんのりやさしい風味としっとり感が生まれます。イーストを使わずに作れるため、発酵時間を取らず、気軽に焼けるのも魅力です。
作るときは、代用品の水分量、生地のやわらかさ、焼きすぎないことを意識すると、仕上がりが安定しやすくなります。
Grandma Helgaについて
Grandma Helgaは、長年家族のために料理を作り続けてきた母であり祖母です。
このサイトで紹介しているレシピは、彼女が日々の暮らしの中で実際に作ってきたものです。
手書きのレシピをもとに、大切に受け継がれてきました。
現在は、家族が内容を整理し、翻訳して公開しています。
どれもシンプルで、毎日の食卓に取り入れやすいレシピです。

