このトプフェンとりんごのオーブン焼きは、ヘルガおばあちゃんが料理に慣れていなかった頃に書き残した、最初の家庭料理のひとつです。
元の手書きメモはとても短いものですが、トプフェン、りんご、卵、はちみつ、セモリナ粉、バニラ、レモンを使った、あたたかい甘いオーブン料理であることが分かります。
元のメモには、「Abtrieb を作り、りんごを加え、最後に泡立てた卵白とセモリナ粉を混ぜ、200℃で焼く」という流れが簡潔に書かれています。この記事では、元の材料と分量を大切にしながら、今の家庭でも作りやすいように手順を少し丁寧に補っています。
このトプフェンとりんごのオーブン焼きについて
トプフェンとりんごのオーブン焼きは、オーストリアらしい甘い家庭料理です。
デザートとしても、軽い甘い主食としても楽しめます。日本の感覚では、チーズケーキとりんごの焼き菓子、または甘いグラタンの中間のような料理と考えるとイメージしやすいです。
トプフェンのやさしい酸味、りんごの果実感、はちみつのやわらかな甘さが合わさり、セモリナ粉が全体をほどよくまとめます。
最後に泡立てた卵白を加えることで、重くなりすぎず、ふんわりした軽さも少し出ます。ただし、華やかなケーキというより、家庭で作る素朴なあたたかい一品です。
元の料理名について
元の手書きメモでは、料理名は次のように書かれています。
Topfen-Apfelauflauf
Topfen は、オーストリアでよく使われる乳製品です。
Apfel は、りんご。
Auflauf は、オーブンで焼く料理、焼き込み料理のことです。
日本語では、
トプフェンとりんごのオーブン焼き
または
トプフェンとりんごの焼き菓子風オーブン料理
と考えると分かりやすいです。
ここでは、家庭料理としての雰囲気を大切にして、トプフェンとりんごのオーブン焼きとして紹介します。
オリジナル画像
”毎日のやさしい食事”

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このレシピは、”毎日のやさしい食事”シリーズの15番目にあたるものです。
現在掲載している画像の中では8番目に見えるため、画像内の並びと通し番号が異なります。
この記事では、サイト内で整理しやすいように、通算番号として「15番目のレシピ」として扱っています。
材料
- 卵 4個
- 卵黄 1個分
- はちみつ 120g
- バニラ 大さじ1
- トプフェン 750g
- レモン 1個
- 塩 ひとつまみ
- セモリナ粉 大さじ4と1/2
- ベーキングパウダー 小さじ1程度
- りんご 750g
分量について
元の手書きメモでは、dag という単位が使われています。
1dag は 10g です。
そのため、この料理では次のようになります。
12dag はちみつ = 120g
75dag トプフェン = 750g
また、元のメモにある 3/4 kg Äpfel は、りんご750gです。
KL BP は、おそらく Kaffeelöffel Backpulver の略です。
Kaffeelöffel は小さなスプーンのことで、現在のレシピでは小さじに近い感覚で考えると分かりやすいです。
BP は Backpulver、つまりベーキングパウダーのことです。
1 P. Salz は、文脈から見ると 1 Prise Salz、つまり塩ひとつまみと考えられます。古い家庭の手書きメモでは、このような短い略語がよく使われています。
材料の補足
トプフェンについて
トプフェンは、オーストリアの家庭料理やお菓子でよく使われる乳製品です。
クワルクに近いものですが、国や商品によって水分量やなめらかさが少し違います。
以前、義母から「オーストリアでは脂肪分の高いトプフェンもよく使う」と聞いたとき、正直なところ「そんなに濃厚なら食べるのを少しためらうかも」と思ったことがあります。けれど、焼き菓子に使うと、そのコクが生地のしっとり感や満足感につながります。
この料理では、トプフェンが水っぽすぎない方が作りやすいです。水分が多い場合は、少し水切りしてから使うと、焼き上がりがゆるくなりすぎません。
日本で作る場合は、クワルクやカッテージチーズ、または水切りヨーグルトなどが候補になります。ただし、完全に同じ味や食感にはならないため、代用する場合は少し違う仕上がりになると考えておくと安心です。
りんごについて
元のメモでは、りんごの種類までは書かれていません。
焼いてやわらかくなりやすく、ほどよく酸味のあるりんごが合います。酸味のあるりんごを使うと、はちみつの甘さとバランスが取りやすくなります。
りんごは、細かく切るか、粗くすりおろすようにして使うと、トプフェンの生地になじみやすくなります。
セモリナ粉について
元のメモにある Grieß は、セモリナ粉です。
セモリナ粉は、生地の水分を吸って全体をまとめる役割があります。焼き上がったときに、トプフェンとりんごの生地がゆるくなりすぎないように助けてくれます。
日本で手に入りにくい場合は、細かいセモリナ粉を探すと使いやすいです。まったく別の粉に置き換えると、食感が変わる可能性があります。
バニラについて
元のメモには 1 EL Vanille と書かれています。
EL は Esslöffel、大さじのことです。
ただし、どの形のバニラを使ったのかまでは書かれていません。
バニラシュガー、バニラエッセンス、バニラペーストなど、当時使っていたものによって意味が少し変わります。
現代の家庭で作る場合は、香りが強くなりすぎないように、やさしくバニラの風味が出る程度に調整するとよいです。
レモンについて
元のメモには 1 Zitrone とだけ書かれています。
おそらく、レモンの香りを加える目的だったと考えられます。
無農薬または表皮を使えるレモンであれば、皮を少量すりおろして加えると香りがよくなります。さっぱりさせたい場合は、果汁を少し加えてもよいですが、入れすぎると酸味が強くなりすぎるため注意します。
Schneeについて
元のメモには Schnee と書かれています。
オーストリアやドイツ語圏の古い料理メモで Schnee とある場合、多くは泡立てた卵白、つまりメレンゲのことです。
この料理では、卵白を泡立てて最後に混ぜ込むことで、生地に少し軽さを出しています。
作り方
- 材料を準備する
卵を卵黄と卵白に分けます。
卵白はあとで泡立てます。
卵黄は、はちみつと混ぜる土台に使います。
りんごは皮をむき、芯を取って、粗くすりおろすか小さめに切ります。
レモンは、必要に応じて皮をすりおろしておきます。 - トプフェンを準備する
トプフェンをボウルに入れます。
水分が多い場合は、あらかじめ軽く水切りしておきます。
水分が多すぎると、焼き上がりがやわらかくなりすぎることがあります。 - 卵黄とはちみつをよく混ぜる
卵黄とはちみつをボウルに入れます。
追加の卵黄1個分も加えます。
全体がなめらかになるまでよく混ぜます。
この卵黄とはちみつを混ぜた土台が、元のメモにある Abtrieb です。 - トプフェンを加える
卵黄とはちみつの生地に、トプフェンを加えます。
なめらかになるまで混ぜます。
バニラ、塩、レモンも加えます。
レモンは香りづけを目的に、強くなりすぎないように調整します。 - りんごを加える
準備したりんごを、トプフェンの生地に加えます。
全体に行き渡るように、やさしく混ぜます。
りんごから水分が出やすいので、強く混ぜすぎないようにします。 - 卵白を泡立てる
別の清潔なボウルに卵白を入れます。
角が立つくらいまで泡立てます。
泡立てすぎてぼそぼそになる前の、しっかりしたメレンゲが目安です。 - セモリナ粉とベーキングパウダーを合わせる
セモリナ粉にベーキングパウダーを混ぜておきます。
先に合わせておくと、生地全体に均一に混ざりやすくなります。 - メレンゲとセモリナ粉を混ぜ込む
トプフェンとりんごの生地に、泡立てた卵白とセモリナ粉を加えます。
全体を切るように、やさしく混ぜます。
卵白の白い部分やセモリナ粉のかたまりが大きく残らない程度で大丈夫です。
混ぜすぎると、せっかくの軽さが失われやすくなります。 - 型に入れる
耐熱皿やオーブン用の型に、バターを薄く塗ります。
生地を入れ、表面をならします。
あまり浅い型にすると乾きやすいため、ある程度深さのある型が向いています。 - 200℃で焼く
200℃に温めたオーブンで焼きます。
元の手書きメモには、焼き時間は書かれていません。
表面が軽く色づき、中央がゆるく流れない状態になれば焼き上がりの目安です。 - 少し休ませる
焼き上がったら、すぐに切らず、数分置きます。
焼きたてはやわらかいため、少し休ませると生地が落ち着きます。
あたたかいうちに取り分けて食べます。
おいしく作るコツ
トプフェンは水分が多すぎないものを使います。
水分が多いと、焼き上がりがゆるくなりやすいです。気になる場合は、軽く水切りしてから使います。
りんごは大きすぎないようにします。
小さめに切るか、粗くすりおろすと、トプフェンの生地になじみやすくなります。
卵白は最後にやさしく混ぜ込みます。
強く混ぜすぎると、空気が抜けて重たい仕上がりになりやすいです。
焼き上がったあとは、少し休ませます。
オーブンから出した直後はやわらかいので、数分置いた方が取り分けやすくなります。
味と食感
このトプフェンとりんごのオーブン焼きは、やさしい甘さと軽い酸味のある、あたたかい家庭料理です。
はちみつの甘さは強すぎず、トプフェンのやわらかな酸味とよく合います。りんごが入ることで、果物の自然な甘みとしっとり感が加わります。
セモリナ粉が入るため、ただのチーズクリームのような食感ではなく、少しまとまりのある焼き上がりになります。
ふわふわのケーキというより、トプフェンのオーブン焼き、甘いセモリナ焼き、りんごの焼き菓子が合わさったような素朴な一品です。
Abtriebとは何?
元の手書きメモにある Abtrieb は、オーストリアの古い料理メモで見られる言葉です。
一般的には、卵黄、バター、砂糖、はちみつなどをよく混ぜて、生地の土台を作ることを指します。
この料理では、卵黄とはちみつを混ぜたものが Abtrieb にあたります。
そのあとにトプフェン、りんご、セモリナ粉、泡立てた卵白を加えて、オーブンで焼き上げます。
作り置きについて
このトプフェンとりんごのオーブン焼きは、焼きたてのあたたかい状態が一番おいしく感じられます。
ただし、材料の一部は先に準備できます。トプフェンの生地はある程度先に作れますが、りんごは焼く直前に加える方が安心です。早く入れすぎると、水分が出たり、色が変わったりすることがあります。
残った場合は、冷蔵庫で保存し、食べるときに弱めの温度で温め直します。冷めると、焼きたてより少ししっかりした食感になります。
食べ方
このオーブン焼きは、あたたかいままそのまま食べても楽しめます。
好みに合わせて、次のようなものを添えても合います。
- 粉砂糖
- ホイップクリーム
- バニラソース
- りんごソース
- 果物のコンポート
すでに、はちみつとりんごの甘さがあるため、甘みを足しすぎなくても十分楽しめます。
よくある質問とこたえ
まとめ
トプフェンとりんごのオーブン焼きは、ヘルガおばあちゃんの最初の家庭料理に残されていた、素朴であたたかい甘い一品です。
トプフェン、りんご、卵、はちみつ、セモリナ粉、バニラ、レモンを合わせ、泡立てた卵白を最後に混ぜて、200℃のオーブンで焼き上げます。
元の手書きメモはとても短いものですが、そこには、家庭で作る甘いオーブン料理のやさしい雰囲気が残っています。
華やかなケーキではありませんが、あたたかく、やわらかく、りんごの甘酸っぱさが楽しめる、昔ながらの家庭料理です。
この料理は、ヘルガおばあちゃんのはじめての家庭料理シリーズのひとつです。手書きメモに残された素朴なオーストリア家庭料理を、今の家庭でも作りやすい形で紹介しています。
Grandma Helgaについて
Grandma Helgaは、長年家族のために料理を作り続けてきた母であり祖母です。
このサイトで紹介しているレシピは、彼女が日々の暮らしの中で実際に作ってきたものです。
手書きのレシピをもとに、大切に受け継がれてきました。
現在は、家族が内容を整理し、翻訳して公開しています。
どれもシンプルで、毎日の食卓に取り入れやすいレシピです。

